モジュール詳細:ボタンを押す

おせおせおせおせおせおせおせおせおせおそえそえおせおそえおせおそえおせおお

このモジュールを解除するには、ボタンを押す必要がある。押さないとミスが記録される。爆弾が爆発する。何故ならこれは押すために生まれたボタンだからだ。押せ。はよ。はよはよ。何をしてるんだ?言ってる意味が分からないのか?ならもう一度言ってやろう。これはボタンを押すだけで解除することが出来る素晴らしいモジュールだ。時間短縮にもなるし、そもそもボタンに押せと書いてあるじゃないか。…え?英語が読めない?おっとぉ…たまげたねぇ~(裏返り)?まぁいいさ、このマニュアルはひたすらボタンを押すことを促すしかやることがない。何故って…このモジュールはボタンを押すことが解除方法だからなぁ…さて、そろそろこのボタンを押してほしいんだが…え?この文をここまで読んでるやついねーよなぁ!?(既視感)

まぁまぁ、そんな焦らなくてもいいか。すまないな、友人よ。私は変わってしまった。このマニュアルを翻訳していたら、まさか俺自身がこのボタンになるなんで、思ってもみなかったことだ。今、お茶を入れてくる。少しここでゆっくりしててくれ。

…あぁ、またせたな。君の好きなブラックコーヒーだ。私はこの年になってカフェインに弱くなってしまってね…ロイヤルティーで十分だ。

それでな…爆弾解除中で時間もない君にこのようなことを頼むのは非常に申し訳ないと思っている。ただ、一つ聞いてほしい。これは唯一の願いなんだ。それはな…

「俺を押してくれないか。」

…はは、いきなりすぎるよな。ごめん。でも、俺はこれをお前にお願いすることしかできない。だから爆弾工場に自ら出向いて社長にお願いし、俺を1つのモジュール「Don’t Touch Anything」としてお前の前に出してもらったのさ。

俺って…ほんと、みじめだよな。見ず知らずの人間にでも押してもらえばいいのに、なんでか知らないけど…怖くなるんだ。これでもし、俺がこの世を去ってしまったら…なんて考えると怖くて…。

でも、そんな時お前を思い出したんだ。俺がまだ人間だったとき、一緒に俺と爆弾解除をしているときのお前の顔を。

あの頃、俺らは毎日のように爆弾解除をしてたよな。最初のころは一番最初のミッションですら爆発して大笑いしたけど、それも数か月後には全てのミッションをほぼ最速でクリアできるまでに成長した。

その頃にはMODにも手を出してたな。正直モジュールが一杯ありすぎて、どれから始めようかめちゃくちゃ迷ったよ。でも、今の俺らに敵なんてないよな?(笑)

そんな時、あいつが出たんだ。

ボタンを放置しておくだけでモジュールを解除できるなんで、どんなモジュールよりも楽だろ?何故なら何もする必要がないからだ。最初見たとき、こんなモジュールを作る人もいるんだなって正直感心したよ。

なのに…

俺はそのボタンを押せと指示した。

なんでだろうな…あのマニュアルにはそのボタンを押すことが唯一の解除方法って書かれてたんだ。だから俺はマニュアルに従って指示したつもりなのに…

だから俺は日本人の皆に正しい情報を伝えられるよう、マニュアルの翻訳を始めた。なのに…俺はこのモジュールを翻訳している間に…こんな姿に…

このモジュールは、ボタンを押してはいけない。押すとミスが記録される。